仙台市の医療事情

仙台市の医療事情

仙台は政令指定都市で巨大な人口を有します。
東北大学の付属病院を含め、東北地方の中核都市として医療施設が密集している場所であり、他面、開業医がひしめきあう場所でもあります。
古い城下町からスタートしている土地柄からか、「駅前」的なスポットに恵まれているため、「人・施設の集まりやすい地点」に開院チャンスが多いのでしょう。
JR、バス、地下鉄の網の目に抱かれた緻密な交通の要所なのです。
こうした病院事情を踏まえ、仙台市内から・または近隣の市町村や隣県から、多くの方がなにがしかの医療行為を期待され、紹介を受けて集まってきます。
医療者もこの物理的な条件のよさを知って患者さんたちを送り込むわけです。
そしてこのことで市内の医療従事者の経験値や実績が上がります。
交通の便のよさが医療内容の向上にも直結していく図式です。
最近は仙台市中心部は商業施設乱立で大変混むので、大病院を郊外に移転してよりよい環境を確保しようという動きがあります。
ますます交通が重要になっていくことでしょう。

 

宮城県の病院事情 仙台以北地域の課題

仙台以北地域の課題

仙台市以北の地域では医師不足が深刻になっています。
そのため、夜間の救急医療体制の確保や周産期医療体制の確保が困難になってきています。
そのため医師の確保が現在の大きな課題となっています。
その一つの理由として仙台市の南の地域に宮城県の中核として医療に従事する施設が隣接していることです。
医師の多くはそちらの地域に流れてしまい、医師の偏在化が顕著になってきているからです。
この宮城県内の病院事情から、仙台以北地域においては高齢化も進んでおり、在宅診療などの必要性も大きくなってきています。
そのため自治医療機関の再編・ネットワーク化を図り、共通の理解や医療資源の集約をすることでこの課題に取り組んでいかなければなりません。
このままでは、医師一人への負担が大きくなりすぎて離職の可能性もあり、ますます仙台以北地域における医師の数は減少しかねません。
そのためには、宮城県が全県的に医師のバックアップを行い、医療従事者の労働環境を改善していくことが求められています。